登録有形文化財 泉佐野 新井家住宅 Resistered tangible cultural property izumisano arai residence

新井家住宅は、1932(昭和7)年に大阪・船場で事業を営む新井末吉が、生地にて迎賓館を兼ねて自邸として建てた純和風木造建築です。
天神山と呼ばれる小高い丘陵の敷地は、南東に七の池が満々と静水を湛え、遥かに葛城山脈を望み、西方には大阪湾、そして現在では関西国際空港を眺望できます。
屋敷は全長100mほどの白壁土塀を巡らせ、中央の大門を入ると和風庭園が広がり、庭園を囲む様に建物はコの字型に奥座敷、座敷、主屋の三棟で構成されます。奥座敷、座敷はそれぞれにゆったりと庭を見渡せるよう畳廊下と縁が配され、右手には住まいとして使用されていた主屋や土蔵があります。

室内は書院造りから発展した意匠が用いられ、精緻な組子(くみこ)の明障子(あかりしょうじ)や格天井(ごうてんじょう)、見事な欄間など、昭和初期の大工の質の高さと上質な材料に恵まれ、落ち着いた佇まいを見せています。庭園には20余りの燈籠や巨石を配し、松、桜、百日紅(さるすべり)、つつじなど四季折々の植物を愛でる事ができます。

⑧ 奥座敷 Formal Reception Room

見事な彫刻を施した欄間

  • ① 大門 Main Gate
  • ② 玄関 Entrance
  • ③ 茶室 Tea Room
  • ④ 土蔵 Storehouse
  • ⑤ 土塀 Wall
  • ⑥ 庭園 Garden
  • ⑦ 座敷 Reception Room
  • ⑧ 奥座敷 Formal Reception Room
  • ⑨ 主屋 Living Quarter

① 大門 Main Gate

⑦ 座敷 Reception Room

座敷前庭園 Garden

④ 土蔵 Storehouse

土蔵内部小屋組

  • ■1932(昭和7)年 着工
  • ■1999(平成11)年 国の登録有形文化財に登録
  • ■敷地面積 約7500㎡(約2500坪)
  • ■建築面積 約500㎡

随所に良質な木材を使用

1999(平成11)年には、奥座敷、座敷、主屋、土蔵、大門、土塀が国の登録有形文化財に登録されました。
その後、随時、修復と保全に努めながら、非公式な形でご利用頂いておりましたが、2018(平成30)年の台風21号の襲来で屋根瓦等に大きな損傷を受け、一時は施設の存続も危ぶまれました。しかし、オーナーの熱意と関係各位の多大なるご尽力により、無事修復と補強を終える事ができました。さらにこの度、主屋内に新施設としてキッチンスタジオを設け、奥座敷、座敷と共にその価値をご理解頂ける方々の利用を企図し整備いたしました。